「理学療法士はオワコンなの?」
「理学療法士がオワコンと言われる理由は?」
「オワコン理学療法士になりたくない!」
理学療法士は本当にオワコンでしょうか?
理学療法士はたくさんの勉強が必要な割には収入も低く、昇給も少ないため働いても働いても給料は上がりません。
確かにオワコンかもしれません。
でも理学療法士って本当にいいとこないですか?
本当に給料上がらないですか?
この記事では理学療法士がオワコンと言われる理由、理学療法士のメリット、オワコンでも生き残るための方法を解説します。
この記事からわかること
- 理学療法士がオワコンと言われる理由
- 理学療法士のメリット
- オワコンでも生き残るための方法
理学療法士がオワコンと言われる7つの理由
理学療法士がオワコンと言われる理由を紹介します。
オワコンと言われる理由
- 年収が低い
- 理学療法士の受給バランスの崩れ
- 診療報酬や介護報酬が低い
- 経験や臨床能力が評価されない
- 理学療法士という資格があるだけでは安泰ではない
- 年齢が上がると働くのがきつい
- 理学療法士の政治力は弱い
年収が低い
一般平均(民間事業所) | 理学療法士平均 |
443 万円 | 430.6 万円 |
出典:令和3年分民間給与実態調査|国税庁
出典:令和4年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
理学療法士は年収が低いためオワコンと言われています。
厚生労働省が発表している令和4年賃金構造基本統計調査では、理学療法士(作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士含む)の2022年平均年収は430.6万円です(残業代やボーナス含む)。
国税庁の令和3年分民間給与実態調査では一般的な民間企業などの年収は443万円であることから、理学療法士の年収は一般的な平均年収より低いことが分かります。
また、理学療法士は医療職種の中でもダントツの低年収であり、年収の低さがオワコンと呼ばれる大きな理由になっています。
>>理学療法士の給料が安い理由と収入を上げる方法ついてはこちら「理学療法士の給料は安いのか?年収が低い理由と収入を上げる方法を解説!」
給料が上がらない
理学療法士は給料があがらないためオワコンと言われています。
日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体が2023年に行った「医療機関における賃金引き上げの状況に対する調査」では、医師、看護師以外の職員の定期昇給は3600円でした。
職場にもよりますが、年に3000円程度昇給すれば良い方でしょう。
職場によっては昇給なしのところもあります。
そのため、年収面では大きく増えることは期待できません。
しかし、職場によってはきちんと給料が支払われるところもあるため、職場選びや職域選びが大切になります。
>>理学療法士で年収600万円到達する手順はこちら「理学療法士でも年収600万円に到達する方法」
理学療法士の受給バランスの崩れ
理学療法士の受給バランスが崩れる可能性があることが、オワコンと言われる原因になっています。
2019年に行われた厚生労働省の理学療法士・作業療法士需給分科会において2040年頃に理学療法士の供給数が需要数の1.5倍となる推計を示しました。
これは、患者さんや利用者さんが必要としているリハビリに対して、理学療法士が多すぎるということであり、3人に1人はあまる計算となります。
理学療法士が爆発的に増えた結果、需要と供給のバランスが崩れてしまうということです。
現状ではまだ理学療法士の数が足りませんが、数年後には仕事がなくなる人も出てくるかも…
>>理学療法士が「やめとけ」と言われる理由はこちら「「理学療法士はやめとけ」と言われる7つの理由!本当のところも解説!」
診療報酬が低い
心大血管 | 脳血管 | 運動器 | 廃用症候群 | 呼吸器 | |
---|---|---|---|---|---|
標準算定日数 | 150日 | 180日 | 150日 | 120日 | 90日 |
施設基準 Ⅰ | 205 点 | 245 点 | 185 点 | 180 点 | 175 点 |
施設基準 Ⅱ | 125 点 | 200 点 | 170 点 | 146 点 | 85 点 |
施設基準 Ⅲ | ー | 100 点 | 85 点 | 77 点 | ー |
※令和4年度診療報酬改定の概要 個別改定事項Ⅲ(厚生労働省保健局医療課)を参考に作成
理学療法士はリハビリテーションの診療報酬が低く、オワコンと言われる原因になっています。
理学療法士の診療報酬は2002年・2006年の改訂により大きく引き下げられました。
2000年では40分のリハビリで660点でした。
その後、診療報酬の引き下げにより、現在では施設基準 Ⅰの脳血管リハでも20分のリハビリで240点となっています。
この結果、理学療法士が稼ぐことができる金額は少なくなり、給料が低く抑えられるという現状になっています。
社会保障費は年々増え続けており、国は社会保障費を少しでも抑えたいと考えています。
そのため、今後増え続けるリハビリの値段が上がるとは考えられず、むしろ減ることもあるかもしれません。
リハビリの値段が上がらないため、理学療法士の年収も上らないことにつながります。
経験や臨床能力が評価されない
理学療法士は経験や臨床能力が評価されない傾向にあり、オワコンと呼ばれています。
大きな理由はリハビリは誰がやっても同じ値段だからです。
ベテランがやっても、新人がやっても稼げる金額は同じ。
「それなら、給料は上げないでおこう」となります。
病院や施設などの組織では、経験や臨床能力よりも管理職としてのマネジメント能力が評価されます。
理学療法士の資格があるだけでは安泰ではない
理学療法士は資格があるだけでは安泰ではなくなってきているため、オワコンと呼ばれています。
理学療法士は
- 理学療法士の数の増大
- 需給バランスの崩れ
- 診療報酬の低下
などにより年収がより低くなる可能性があります。
また、今後は理学療法士の数も多くなったことにより、働く場所がなくなる可能性があります。
現在は就職や転職がしやすい職種ですが、これからはどうなるか分かりません。
理学療法士の資格を持っているだけで、就職先に困らず一定の収入が得られる時代は終わったのです。
>>理学療法士の勝ち組についてはこちら「理学療法士が勝ち組になるための6つの働き方!方法も合わせて解説!」
年齢が上がると働くのがキツイ
年齢が上がると働くのがキツイため理学療法士はオワコンと言われています。
臨床を中心に働いている理学療法士は身体的な負担が大きくなります。
特に
- 病院
- 老人介護保険施設
- 訪問リハビリ
などで働いている理学療法士は動作介助なども多く、体力的にはキツイです。
管理職になれれば良いけど、みんながなることはできません。
年齢が上がり、腰痛などを抱えたまま理学療法士を続けなければなりません。
>>理学療法士が何歳まで働けるかについてはこちら「理学療法士は何歳まで働ける?定年後の60代でも働くための4つの準備を徹底解説!」
理学療法士の政治力は弱い
理学療法士は政治力が弱く、オワコンと呼ばれる原因になっています。
理学療法士の政治力が弱い=リハビリの値段の低下につながります。
国がリハビリの値段を決めるため、リハビリの重要性を政府へ伝える人が必要になります。
そのため、リハビリの値段を上げたり、理学療法士の活躍の場を広げるためには、国会議員を出す必要があります。
現在では理学療法士から田中まさし参議院議員が出ていますが、1人では少なく政治力として弱い職種になっています。
田中まさし参議院議員
理学療法士は本当にオワコンなのか?
理学療法士は本当にオワコンなのでしょうか?
そんなことはありません!理学療法士もまだまだメリットたっぷりの職種です。
ここでは理学療法士がオワコンではない理由を解説します。
オワコンではない理由
- 需要や職域は増えている
- 専門性が高い
- 社会的信用が高い
- やりがいがある
需要や職域は増えている
高齢化が進み明らかに理学療法士の需要は増えているため、オワコンではありません。
高齢化はまだまだ進み、理学療法士の必要性は上がっていくでしょう。
理学療法士が関わる領域も増えてきており、色々な領域で活躍できる理学療法士が増えてきました。
最近では腎機能障害や予防医療、自費領域などでも活躍する理学療法士が増えてきました。
専門性が高い
理学療法士は専門性が高い職業のため、オワコンではありません。
動作やリハビリのプロとして個々の状態に合せて対応できる職種は他にはありません。
最近では各分野の専門性も高くなっており、一つの分野に特化することで希少性が生まれ、重宝される人材となれます。
まだまだ理学療法士というだけでも専門性があり、希少性が高いと言えます。
社会的信用は高い仕事
理学療法士は社会的信用が高い仕事のため、オワコンではありません。
病院や施設などでリハビリをサポートする仕事として周知されるようになってきています。
「理学療法士」と言うと「いい仕事ですね」と言われることが多いです。
一般的には人の役に立つポジティブなイメージがあります。
また、国家資格であるため仕事の安定感があると判断され、住宅ローンなどは組みやすくなります。
やりがいはある
理学療法士はやりがいのある仕事のため、オワコンではありません。
ここに関しては各個人で価値観が違うためなんとも言えませんが、私はやりがいはあると思います。
困っている人の役に立つことができる仕事であるため、やっていて良かったと思う場面も多々あります。
仕事をすることで、誰かの役に立つことができる、やりがいのある仕事です。
オワコンでも生き残るための方法
ここでは理学療法士がオワコンと言われる中でも生き残って行くための方法を紹介します。
生き残るための方法
- 専門性を高める
- 副業を始める
- 転職をする
専門性を高める
生き残るためには専門性を高めましょう。
最近では理学療法士の中でも分野が多岐に渡っています。
そして、一つの分野の専門性はとても深くなっています。
そのため、一つの専門的な分野に特化した理学療法士は希少性も高くなり、需要も多くなります。
一つのことに特化したスペシャリストの方が生き残りやすいよ。
生き残るためには専門性を高めるのが良いでしょう。
副業を始める
生き残るためには副業を始めましょう。
副業には複数のメリットがあります。
- 収入本数が複数できるため経済的に安定する
- 本業ではできない経験や人脈ができる
副業を行うことで経済的にも、働き方としても安定します。
>>理学療法士の副業が知りたい方は「理学療法士にオススメな副業を紹介!メリットや注意点も解説!」で解説しています。
転職をする
生き残るためには転職をしましょう。
収入やキャリアに不安がある場合は転職も一つの選択肢です。
今の職場で働いていても不安が残るようなら検討しましょう。
具体的には職場の先輩や上司を見て下さい。
「その人たちのようになりたくないな」と思ったら、黄色信号。
数年後には仲間入りです。
そうならないためにも決断は早めにすると良いでしょう。
>>理学療法士の転職方法についてはこちら「【理学療法士の転職方法】初心者でも成功する10の手順を徹底解説!」
【まとめ】理学療法士はまだオワコンじゃない
この記事のまとめ
- 理学療法士はまだオワコンではない
- オワコンになっていく理学療法士もいる
- オワコンにならないように行動や工夫は必要
理学療法士は収入の低下や数の増加からオワコンと言われることがあります。
しかし、専門性が高い国家資格であり、まだまだメリットのある職業です。
たしかに、理学療法士の数が多くなっているのは事実であるため、何かしらの希少性を持たないとオワコン化する可能性は否定できません。
理学療法士としてオワコンにならないためには、専門性を高める自己研鑽や転職、働き方や収入経路を広げるための副業などの行動が必要です。
最後までご覧いただきありがとうございました。
よくある質問
理学療法士がオワコンと言われる理由はなんですか?
理学療法士は以下の点によりオワコンと言われています。
- 年収が低い
- 給料が上がらない
- 理学療法士の数が飽和状態
- 診療報酬や介護報酬が上がらない
- 経験や臨床能力が評価されない
- 理学療法士の政治力は弱い
- 身体的・精神的に負担が大きい
- 自己研鑽のための出費が多い
理学療法士の年収はなぜ低いのですか?
理学療法士が行うリハビリの値段は、国が診療報酬や介護報酬という形で決めています。高齢化社会により社会保障費が増大しているため、リハビリの値段は低いまま増えることはありません。稼げる額が少ないため、給料も安くなります。
>>理学療法士の給料が安い理由と収入を上げる方法ついてはこちら「理学療法士の給料は安いのか?年収が低い理由と収入を上げる方法を解説!」
理学療法士でも給料を上げることはできますか?
一般的な理学療法士でも年収600万円程度であれば十分狙えます。
給料をしっかり払ってくれる職域や職場を見つけ、働く場所を選ぶことが非常に重要になります。
>>理学療法士で年収600万円到達する手順はこちら「理学療法士でも年収600万円に到達する方法」