「一年目で辞めても大丈夫?」
「一年目で辞めたいと思ってるのは私だけ?」
「一年目だと転職できない?」
理学療法士の一年目は患者さんへの対応など様々なプレッシャーやストレスで辞めたいと思う人も多いでしょう。
結論から言うと、理学療法士は国家資格であり、現状はまだ人手が足りないところも多く、一年目で辞めても再就職はしやすいです。
しかし、「一年目での退職はネガティブな印象を持たれる」可能性は高いでしょう。
また、一年目であっても辞めた方が良い状況もあるため、以下の記事を参考にしてください。
この記事では、一年目の理学療法士が辞めたくなる理由や一年目で辞めるデメリットやメリット、注意点、再就職方法について詳しく解説しています。
この記事からわかること
- 理学療法士の一年目が辞めたいと思う理由
- 理学療法士の一年目で辞めるデメリット・メリット
- 理学療法士の一年目で辞める注意点
この記事を読むことで、一年目で辞めるメリット・デメリットを把握して自分に合った働き方を見つけることができます。
理学療法士の転職の方法はこちら「【理学療法士の転職方法】初心者でも成功する10の手順を徹底解説!」
一年目は辞めたくなることが多い
社会人の一年目では覚えることが多く、新人としてのプレッシャーもあり、非常にストレスを感じやすく、「辞めたいな」という思いが強くなる時期です。
理学療法士では患者さんへの対応や評価・治療プログラムの立案、職場での人間関係の構築など不慣れなことがことが多く、ストレスがたまりやすくなります。
特に「思ったようにリハビリの結果が出ない」「そもそも何をしたら良いか分からない」など自身が持てないことや、「実際働いてみたら思っていたのと違った」など選択のミスマッチを自覚したりすることで辞めたくなるのが一年目の特徴です。
また、パワハラやセクハラ、サービス残業などの問題は入職後に明らかになるため、一年目で辞めたいと思う人は多くなります。
一年目でどれぐらいの人が辞めてる?
厚生労働省が発表している新規学卒就職者の離職状況(平成30年卒業者)では、大学卒業者のうち全産業で一年以内に退職した人は全体の11.9%となっています。
大学卒の新規社会人全体では、約10人に一人が一年以内に退職してることになります。
この数値は実際に辞めた人数になるので、辞めたいと思っている人も含めるともっと多くなるでしょう。
また、医療・福祉産業の新規大卒就職者の産業別就職後3年以内の離職率は38.6%(平成30年3月卒)と全産業平均の31.2%と比べて高い離職率となっています。
医療・福祉分野の3年以内の離職率は、全体の平均より7%以上も高い傾向にあります。
理学療法士のみの具体的な数値は分かりませんが、高い傾向を示す可能性があります。
>>理学療法士の離職率についてはこちら「【18.8%は高い!?】理学療法士の離職率とその理由」
一年目の理学療法士が辞めたくなる理由
一年目の理学療法士が辞めたくなる理由を以下に解説します。
一年目で辞めたくなる理由
- 身体または精神的な不調を認めている
- パワハラ・セクハラがある
- 理学療法士以外の業種を目指したくなった
- 将来に対する不安
- 患者さんへの対応が難しい
- サービス残業が多い
- 人間関係のストレス
>>理学療法士の転職理由はこちら「理学療法士のよくある7つの転職理由!伝え方から例文まで徹底解説!」
身体または精神的な不調を認めている
一年目の理学療法士が辞めたくなる理由として身体または精神的な不調を認めているがあげられます。
理学療法士は身体的にも精神的にも負担の多い仕事です。
色々なことが初めてで、職場環境にも慣れない状態での仕事は非常にストレスとなります。
さらに、こんな状態でパワハラやサービス残業などがあればどんどん体調が悪化する可能性があります。
身体的・精神的な不調を認める場合は、悪化する前に休職あるいは退職などストレスの原因となっている事から離れるようにしましょう。
自分の身体を一番大事にして下さい。
パワハラ・セクハラがある
辞めたくなる理由として職場でのパワハラやセクハラがあります。
パワハラやセクハラは決して許されるものではありません。
日常的に職場内でパワハラ・セクハラが横行している職場は退職を検討した方が良いでしょう。
我慢しすぎると心が病んでしまって、長期的に休まなければならなくなってしまいます。
病気になる前にその職場から離れて、新しい職場を探すようにしましょう。
理学療法士以外の業種を目指したくなった
理学療法士以外の業種を目指したくなり辞めたくなることがあります。
実際に理学療法士として働いてみて、思っていたのと違うと感じたり、他にやりたいことが出てくることがあるからです。
理学療法士は養成校に通う必要があるため、早い人だと高校生のときに理学療法士を志します。
しかし、まだまだ世の中を知らないうちに進路を決めることはデメリットにもなります。
理学療法士になって社会に出てからこの仕事は合わないなと思ったり、他にやりたいことが見つかるのは不思議なことではありません。
将来に対する不安
一年目で理学療法士を辞める理由の一つとして将来に対する不安があります。
理学療法士は決して収入の多い仕事ではありません。
また、給与水準も過去20年間で下がっているため、今後上がっていくことは考えづらいでしょう。
一方で、理学療法士以外の医療関係職種の給与水準は上がっています。
また、理学療法士・作業療法士需給分科会の資料によると2026年頃から理学療法士・作業療法士の供給数が需要数を上回ると予測されています。
理学療法士があまる時代が来るということですね。
これらのことから結婚や子育て、老後を考えると将来が不安となって他職種へ転職する理学療法士が多くなってきています。
患者さんへの対応が難しい
患者さんへの対応が難しいのも辞めようと思う理由になります。
理学療法士は患者さんや利用者さんのリハビリテーションを担当します。
人はそれぞれ個別性があるため、その人に合わせたコミュニケーショや対応を求められます。
これが正解という答えがないため、ベテランでも日々悩みながら試行錯誤していくのが現実です。
経験の浅い一年目ではより難しく感じ、自信を失い、辞めたくなります。
サービス残業が多い
サービス残業が多いことも辞めたくなる理由となります。
理学療法士の仕事は実際のリハビリ以外に書類の作成、勉強会の参加、委員会活動、学生指導など多岐にわたります。
これらの業務は収入が発生しないということもあり、サービス残業となっている職場も多々見られるのが現状です。
収入も増えず、業務量が多く疲弊していくので辞めたくなる理由となります。
人間関係のストレス
職場の人間関係によるストレスも、一年目の理学療法士が辞めたくなる理由の一つです。
同僚や先輩、上司とのコミュニケーションがうまくいかず、職場での居心地が悪くなることがあります。
特に新人職員が少ないところでは、孤立してしまうこともあり、仕事がしにくい状況になることもあります。
このような状況が続くと、職場に行くことそのものがストレスとなり、退職を考えることになります。
一年目でも転職できる?
理学療法士であれば一年目でも転職することはできます。
なぜなら、まだまだ理学療法士が足りないところも多く、キャリアの浅い既卒者でも採用したいと思っている職場はたくさんあります。
ただ、就職して一年以内に辞めるということは転職活動にデメリットとなります。
面接で説明する転職理由はしっかりと話せるように自己分析や対策をしておいた方が良いでしょう。
面接での転職理由の伝え方については以下の記事を参考にしてください。
>>理学療法士の転職理由はこちら「理学療法士のよくある7つの転職理由!伝え方から例文まで徹底解説!」
一年目で辞めるデメリット
理学療法士が一年目で辞めるデメリットを解説します。
一年目で辞めるデメリット
- 失業保険がもらえない可能性がある
- 転職活動ですぐに辞めてしまうのではないかと思われてしまう
- 年収が下がる可能性がある
失業保険がもらえない可能性がある
一年目で辞めると失業保険がもらえない可能性があります。
失業保険は「離職前の2年間に雇用保険に通算12ヶ月以上加入していること」が条件になります。
そのため、1年未満で自己都合で退職する場合は、失業保険がもらえなません。
しかし、会社都合による退職(特定受給者資格)の場合は、離職日から遡って1年間のうち通算6ヶ月以上の加入をしていれば受給資格が得られます。
また、病気やケガ、妊娠によってやむを得ず退職する場合は「特定理由離職者」に分類され、特定受給資格者と同様、半年以上の加入で受給できます。
転職活動ですぐに辞めてしまうのではないかと思われてしまう
一年未満での退職は転職活動でまたすぐに辞めてしまうのではないかと思われてしまう可能性があります。
一年未満での退職はネガティブなイメージになるのが一般的です。
「採用してもすぐ辞めてしまうかもしれない」と採用担当者は思うでしょう。
しかし、採用担当者や面接官を納得させる退職理由が伝えられれば、転職を成功させられます。
しっかりと自己分析し、退職理由を明確にしておくことが重要です。
年収が下がる可能性もある
一年未満での転職では年収が下がる可能性があります。
一年未満での転職ではキャリアが浅く、転職先で即戦力となることが難しい。
実績もない状態であることがほとんどなため、転職先での給与水準で年収が決まるでしょう。
そのため、給与水準が前職よりも低い職場へ転職した場合、年収が下がります。
一年目で辞めるメリット
理学療法士が一年目で辞めるメリットを紹介します。
一年目で辞めるメリット
- 理学療法士以外の異業種に転職するには有利
- 社会を知ったうえで就職先を選び直せる
- 第二新卒として見てくれる職場もある
理学療法士以外の異業種に転職するには有利
理学療法士以外の異業種に転職するなら早い方が有利でしょう。
若ければ若いほど新しいことを学びやすく、また採用側も積極的になります。
異業種への転職を決めているなら、なるべく早く転職するのがオススメです。
新しい業種に挑戦すると決めているなら、迷っている時間がもったいないです。
社会を知ったうえで就職先を選び直せる
一年未満でも社会を知ったうえで就職先を選び直せるのはメリットになります。
就職して一年目は、社会人としてはじめての経験をたくさんしています。
その経験を得た状態で自分に合った職場や働き方を選び直せるのは、大きなメリットになります。
自分に合った職場環境や仕事内容も見つけやすくなります。
第二新卒として見てくれる職場もある
一年未満の転職では第二新卒として見れくれる職場もあります。
第二新卒とは学校を卒業後1~3年で、転職または就職をする人のことを言います。
第二新卒のメリット
- 新人として扱ってもらえる
- 実務経験を評価してもらえる
- その職場での新人研修などの新人教育プログラムを受けられることもある。
- 伸び代のある人材として見てくれる
- 第二新卒を積極的に採用している職場もある
第二新卒ではまだ新人としての扱いが多く、その職場の新人研修などを受けられることもあります。
また、採用側としても伸び代のある人材と捉えており、積極的に採用している職場も見られます。
第二新卒でも新卒と同様に積極的に採用している職場では、転職もしやすくなります。
一年目で辞めるときの注意点
一年目で辞めるときの注意点を紹介します。
一年目で辞めるときの注意点
- 退職前に転職活動を行う
- 失業保険がもらえない可能性がある
- 辞める理由が明確でないなら自己分析を行う
退職前に転職活動を行う
退職前に転職活動を行いましょう。
冷静により良い転職先を選ぶためにも、退職前に転職先を決めましょう。
退職してからでは精神的にも経済的にも焦りが出て、冷静な判断ができないまま転職先を選ぶことになります。
精神的、身体的に問題が出ていないのであれば、まずは転職先を見つけてから転職しましょう。
しかし、身体的・精神的に問題が出ていれば転職先の有無に関わらず、すぐに退職または休職を検討しましょう。
失業保険がもらえない可能性がある
入職して一年未満の退職では、失業保険がもらえない可能性があるので注意しましょう。
失業保険は「離職前の2年間に雇用保険に通算12ヶ月以上加入していること」が条件になります。
そのため、1年未満で自己都合で退職する場合は、失業保険がもらえません。
しかし、会社都合による退職(特定受給者資格)の場合は、離職日から遡って1年間のうち通算6ヶ月以上の加入をしていれば受給資格が得られます。
また、病気やケガ、妊娠によってやむを得ず退職する場合は「特定理由離職者」に分類され、特定受給資格者と同様、半年以上の加入で受給できます。
辞める理由が明確でないなら自己分析を行う
辞める理由が明確でないなら、自己分析を行い理由を明確にしましょう。
「なんか辞めたいな」と退職理由が不明確な状態で辞めてしまうと、また次の職場でも同じような状態になる可能性があります。
辞めたい理由を明確にし、その理由を解決する転職を行わなければなりません。
そのためにも、辞めたい理由を明確にするための自己分析を行いましょう
一年目でも辞めたほうが良い状況
一年目であっても辞めた方が良い状況があります。
一年目でも辞めた方が良い状況
- 身体または精神的な不調を認めている
- 職場が法律に触れる行為をしている
- 理学療法士以外にやりたいことがある
身体または精神的な不調を認めている
身体または精神的な不調を認めている場合は一年目でも迷わず辞めましょう。
ストレスにより身体または精神的な不調を認めている場合、そのまま頑張りすぎると一定期間休まなければならないほど悪化することもあります。
職場はあなたの体や心に支障が出ても、何も保障はしてくれません。
頑張りすぎて体や心を壊す前に、逃げることも必要です。
身体または精神的な不調を認める場合は退職または休職するなどしてストレスから離れるようにしましょう。
職場が法律に触れる行為をしている
職場が法律に触れる行為をしている、または強要してくる場合は辞めた方が良いでしょう。
よくある法律に触れる行為
- 単位の不正請求
- 虚偽の書類作成
- サービス残業
単位の不正請求、虚偽の書類作成、サービス残業などは、職場によっては当たり前に行われている場合もあります。
しかし、これらは明らかな法律違反になります。
サービス残業も立派な違法行為になります。
これらの違法行為が散見される職場では、在籍していることがリスクになることもあります。
特にこれらを強要される場合は一刻も早く辞める方が良いでしょう。
理学療法士以外にやりたいことがある
理学療法士の仕事を始めたものの、自分が本当にやりたいことが別の分野にあることが明確になった場合、一年目であっても辞めることを検討するべきです。
新しいことに挑戦するには早い方がメリットが多いです。
何かを覚えるには、若い方が吸収力や伸び代があります。
また、転職先もそのような目で見るでしょう。
理学療法士以外に転職するなら、なるべく早く行動するのがオススメです。
一年目での再就職の方法
一年目での再就職の方法を解説します。
一年目での再就職の方法
- 退職前に転職活動をはじめる
- 転職活動では退職理由に注意する
- 退職を伝える時期
退職前に転職活動をはじめる
退職前に転職活動をはじめましょう。
退職してから転職先を探すのは精神的・経済的にも焦りが出てしまい、冷静な判断ができなくなってしまいます。
できるだけ転職先を探してから、退職するのが良いでしょう。
転職活動では退職理由に注意する
一年未満の退職は転職先からネガティブに見られます。
そのため、退職理由がどういった理由なのかは聞かれることも想定しておきましょう。
退職理由は明確で具体的なものがあると、採用担当者も納得しやすくなります。
前もって自己分析を行い、退職理由を明確にし、整理しておきましょう。
退職を伝える時期
退職は1ヶ月以上前に伝えるようにしましょう。
法律上では民法で退職の2週間前に伝えれば辞めることができますが、引き継ぎや代わりのスタッフの補充を考えると、1〜3ヶ月前に伝えるのが一般的です。
また、就業規則で退職の申し入れ時期が決められている職場もあるため、確認しておきましょう。
>>理学療法士の退職の伝え方こちら「理学療法士が円満退職するための伝え方!ポイントから注意点を解説!」
まとめ
この記事のまとめ
- 理学療法士の一年目での退職はデメリットを把握してからにしよう
- 退職理由は明確にしよう
- 状況によっては一年目でも辞めた方が良いこともある
理学療法士の一年目は患者さんへの対応や業務を覚えるプレッシャー、ストレスで辞めたくなることが多い時期です。
理学療法士はまだ足りていない施設も多く、場所を選ばなければ一年目でも再就職しやすい状況です。
しかし、一年目での退職は転職先からネガティブに見られるのも事実。
転職する際は退職理由を明確にし、前向きに説明できることが望ましいでしょう。
また、身体や精神的な不調を認めていたり、パワハラやセクハラ、法律違反の強要などを認める場合は速やかに対応し、改善が期待できなければ退職を考えた方が良いでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
よくある質問
一年目の理学療法士が辞めたくなる主な理由は何ですか?
身体または精神的な不調、パワハラ・セクハラ、理学療法士以外の業種に憧れ、将来に対する不安、患者対応の難しさ、サービス残業が多い、人間関係のストレスなどが挙げられます。
一年目で辞めるメリットは何ですか?
異業種への転職が有利になること、社会を知った上で再度職場を選び直せること、第二新卒として見てくれる職場があることが挙げられます。
一年目で辞めるときの注意点は何ですか?
退職前に転職活動を行うこと、失業保険がもらえない可能性があること、辞める理由が不明確な場合は自己分析を行うことが重要です。