【理学療法士は生活できない?】理由と対応を徹底解説!

理学療法士は生活できない

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  • 理学療法士の給料で生活できるの?
  • 理学療法士は子供ができても生活できるのかな?
  • 老後の生活が心配!

理学療法士は人の役に立つやりがいのある仕事ですが、やりがいだけでは大切な家族を犠牲にすることも。

子供の教育費や老後など、家族が安心した生活を送るには、平均的な理学療法士の給与では足りません。

だから、理学療法士はやりがいだけでなく、生活できるように対策を立てる必要があります!

この記事では理学療法士が生活できないと言われる理由理学療法士でも生活できるようにする対処法を解説します。

この記事からわかること

  • 理学療法士が生活できないと感じるとき
  • 理学療法士が生活できない理由
  • 理学療法士でも生活できるようにする方法

理学療法士が生活ができないと感じるとき

理学療法士は国家資格でありながら収入が低く、生活ができないと言われています。

ここでは理学療法士が生活できないと感じる場面を解説します。

生活できないと感じるとき

  • 生活費が足りない
  • 住宅が購入できない
  • 子育て費用が足りない
  • 老後の生活費が足りない
性別平均年齢平均年収きまって支給する現金給与額年間賞与 
その他特別給与額
全体34.7 歳430.60 万円30.07 万円69.84 万円
35.4 歳447.80 万円31.37 万円71.36 万円
34.0 歳412.24 万円28.67 万円68.20 万円
2022年 理学療法士の平均年収
*平均年収の計算方法は「きまって支給する現金給与額」×12ヶ月+「年間賞与 その他特別給与額」
出典:令和4年賃金基本統計調査厚生労働省

厚生労働省が発表している令和4年賃金構造基本統計調査では、理学療法士(作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士含む)の2022年平均年収は平均年齢34.7歳で430.6万円です(残業代やボーナス含む)。

一般平均(民間事業所)理学療法士平均
443 万円430.6 万円
20代の平均年収
出典:令和3年分民間給与実態調査国税庁
出典:令和4年賃金構造基本統計調査厚生労働省

国税庁の令和3年分民間給与実態調査では一般的な民間企業などの年収は443万円と報告されており、理学療法士の年収は一般的な平均年収より低い状況です。

そのため、理学療法士では主に以下の費用が足りないことが問題となります。

生活ができないと言われる理由

  • 生活費
  • 子育て費用
  • 老後の費用

生活費が足りない

1人暮らし2人暮らし
1ヶ月分の生活費158,198 万円255,318 万円
1人暮らしと二人暮らし世帯の生活費
*1人暮らしは34歳以下の単身・勤労世帯における生活費内訳を記載
*2人暮らしでは2人以上の世帯のうち世帯人員2人の生活費内訳を記載
出典:2022年 家計調査 家計支出編|総務省統計局

理学療法士では一般的な生活費も足りなくなり、生活できない可能性があります。

総務省統計局が行なった2022年家計調査では、1ヶ月分の生活費は1人暮らしで158,198円、2人暮らしで255,318円となっています。

この調査では2人暮らしの居住費に住宅ローンは含まれていません。

そのため、住宅ローンでマイホームを購入している場合は、これ以上に費用がかかるでしょう。

理学療法士の平均的な年収である430万円での月の手取り額は約28万円です(手取額を約8割で計算)。

1人暮らしでは十分生活していけますが、2人暮らしでは結構ギリギリまたは住宅ローンによっては生活ができない可能性があります。

物価が高騰する昨今では、より生活が厳しくなっています。

住宅が購入できない

理学療法士は年収が低く住宅が購入できない可能性があります。

理学療法士の平均的な年収である430万円での月の手取り額は約28万円です。(手取額を約8割で計算)

1人暮らしならまだしも、2人暮らし以上では住宅ローンを払いながら暮らしていくのはかなり難しくなります。

理学療法士は国家資格であるため、住宅ローンは借りやすいです。

しかし、実際の生活はかなり難しくなるのが現状です。

子育て費用が足りない

子供の子育て費用や教育費は高騰傾向にあり、これを賄うことは理学療法士の年収だけでは難しくなります。

文部科学省や内閣府が公表している情報を参考に計算すると、1人の子育てにかかる費用は養育費と教育費を合わせて、約2700万〜約4200万円必要になります。

子育てに必要な費用には生活するための養育費と教育のための教育費があります。

養育費は0歳〜22歳までで約1900万円、教育費は公立か私立かで大きく変わり約700万円〜約2200万円なります。

理学療法士の平均年収でこの額を全て払うのは正直難しいです。

このため、平均的な理学療法士の給与では、子育て費用捻出しながら生活することはできないのが現状です。

老後の生活費が足りない

理学療法士の年収では、老後の生活が出来なくなる可能性があります。

総務省統計局の2022年家計調査家計支出編によると65歳以上の一人暮らしでは約15万円、二人暮らしでは約25万円の生活費が必要となっています。

1人暮らしでは年間180万円必要ということです。

一方もらえる年金は、理学療法士が年収450万円で40年勤務したとすると、国民年金が満額で年間79万円、厚生年金が年間約98万円で年間177万円になります。

支出180万円ー収入177万円=−3万円

で年金だけではギリギリ生活できなくなります。

くっきー

余裕のある生活はもちろん、急な出費にも対応できません。

そのため、老後に備えて貯蓄が必要なのですが、収入が低く十分な貯蓄ができないのが問題となります。

長く勤めていれば退職金もありますが、理学療法士の場合一部の職場を除いて退職金はあまり期待できません。

一つの解決策として老後も働き続けるという選択肢がありますが、理学療法士の大量生産によって今後は働き口すらない可能性もあります。

このように理学療法士では老後の生活ができなくなります。

>>理学療法士の退職金について知りたい方は「理学療法士の退職金相場は?公務員から民間病院まで解説!」で詳しく解説しています。

理学療法士が生活できない理由

理学療法士が生活できない理由を解説します。

理学療法士が生活できない理由

  • 収入が低い
  • 昇給しない
  • 退職金が少ない
  • 年金が少ない

収入が低い

理学療法士が生活ができない根本的な原因は収入が低いからです。

収入が低いため生活費や子育て費用に困窮し、年金も少なくなり、老後の貯蓄もできなくなります。

理学療法士が働いて得られる金額は、診療報酬・介護報酬という形で国が決めています。

そのため、どれだけ頑張っても一定の金額しか稼げないため、理学療法士の給料は低くなります。

平均年収430万円ですが、職場によっては300万円台のところもあります。

>>理学療法士の給料が安い理由と収入を上げる方法ついてはこちら「理学療法士の給料は安いのか?年収が低い理由と収入を上げる方法を解説!

昇給しない

理学療法士の昇給額は職場により差がありますが、大きな昇給は見込めないのが現状です。

日本病院会全日本病院協会日本医療法人協会の3団体が2023年に行った「医療機関における賃金引き上げの状況に対する調査」では、医師、看護師以外の職員の定期昇給は3600円でした。

私の周りでも、民間の病院では3000円前後の昇給が多い印象です。

場所によっては500円や昇給なしの職場もあります。

理学療法士は昇給も低く、結果経験を重ねても収入が増えません。

一方で、着実に昇給する職場や職域もあるため、収入を上げるためにはきちんと給料を上げてくれる職場を選ぶことが大切です。

くっきー

私も病院では業績不振で昇給なしの年がありましたが、訪問看護ステーションでは1年で20,000円の昇給をしました。

>>訪問リハビリの給料が高い理由はこちら「訪問リハビリが給料高いのはなぜ?理由から注意点まで解説!

退職金が少ない

退職金は職場によって有無や金額が大きく異なります。

東京都産業労働局が発表している「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」によると、医療・福祉分野の大学卒定年退職で342.4万円、33年勤務して自己都合退職した場合は279.7万円となっています。

くっきー

クリニックなどの小規模な組織だと、そもそも退職金制度がない職場もあります。

一方で、市立病院や県立病院などは地方公務員と同じ待遇になるため、金額が大きく異なります。

総務省が公表している「地方公務員の退職手当制度について」によると、定年時に月給35万円の人が、35年勤務で定年退職となると約1,829.8円(さらにこの額に調整額が追加されます)となります。

公立病院に勤めているなら退職金が期待できるけど、中小規模の一般病院や施設に勤めている理学療法士は退職金をあてにはできないのが現実でしょう。

>>理学療法士の退職金について知りたい方は「理学療法士の退職金相場は?公務員から民間病院まで解説!」で詳しく解説しています。

年金が少ない

理学療法士は収入が少ないため、受給できる年金額も少くなります。

国民年金は40年分すべて納付していれば、満額で年間79万5000円(令和5年度)です。

しかし、厚生年金は勤続年数や年収によってもらえる金額が変わります。

勤続年数40年で年収が430万円の場合

40年×430万円×0.005481=年間約94万円

国民年金が約79万5000円、厚生年金が約94万円で年間に約174.5万円になります。

1人暮らしの生活費が年間約180万円であるため、年金だけで生活するのは困難となります。

生活できない理学療法士が増える理由

生活できない理学療法士が増える理由

  • 理学療法士が飽和状態
  • 社会保障費の圧迫
  • 物価の高騰

理学療法士が飽和状態

理学療法士・作業療法士の需給推計について
理学療法士・作業療法士の需給推計について(案)
*供給推計:全体の平均勤務時間と性年齢階級別の勤務時間の比(仕事率)を考慮して推計
*需要推計:ケース1「時間外労働時間:年間0時間、1年あたり有給休暇追加取得日数:20日、入院医療(精神病症)外来医療:上位」、ケース2「時間外労働時間:年間360時間、1年あたり有給休暇追加取得日数:5日、入院医療(精神病症)外来医療:中位」、ケース3「時間外労働時間:年間720時間、1年あたり有給休暇追加取得日数:5日、入院医療(精神病症)外来医療:下位」について推計
出典:理学療法士・作業療法士の需給推計について厚生労働省

理学療法士、作業療法士需給分科会によると2026年〜2027年に需要に対して、理学療法士の供給量が上回ると報告しています。

理学療法士や作業療法士が余るということです。

理学療法士が余るような状況だと、給料が増えるどころか、下がっていくことも考えられます。

くっきー

理学療法士協会は需要を作り出せるように、職域の拡大を目指していますが、どうなるかわかりません。

社会保障費の圧迫

社会保障給付費の推移
社会保障給付費の推移
*資料:国立社会保障・人口問題研究所「令和元年度社会保障費用統計」、2020〜2022年度(予算ベース)は厚生労働省推計、2022年度の国内総生産は「令和4年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(令和4年1月17日閣議決定)」
*国内の数値は、1950,1960,1970,1980,1990,2000及び2010並びに2022年度(予算ベース)の社会保障給付費(兆円)である。
出典:我が国社会保障制度の構成と概況厚生労働省

理学療法士が算定できる金額が増える可能性は低いでしょう。

小子高齢化社会になり医療や福祉をはじめとした、社会保障費は年々増えています。

高齢者が増えることで社会保障費が増えるため、国は一人にかかる社会保障費を少なくしようとします。

医療の診療報酬では2016年からマイナス改定が続いており(本体部分はプラスも総体でマイナス)、今後リハビリテーションの算定も減少していく可能性があります。

理学療法士が稼げなければ、もちろん給料も下がっていきます。

このような状況から理学療法士が稼げる額は増えることはなく、給料も上がらないと考えるのが妥当です。

物価の高騰

物価の高騰により生活できない理学療法士が増えます。

現在、日本でも国際的な相場の上昇とともに物価が上がっています。

これは今後も続くだろうと思われてます。

理学療法士は医療・介護保険制度により稼げる金額が決められています。

そのため、稼げる金額が決まっている→給料は上がらない→物価は高くなるため生活できないとなります。

国も医療従事者の賃上げ推進を進めていますが、どこまで反映されるか分かりません。

理学療法士が生活できるようにする方法

理学療法士が生活できるようにする方法

  • 転職で収入を増やす
  • 副業で収入を増やす
  • 夫婦共働きをする
  • 家計の支出を抑える
  • 資産運用を検討する

転職で収入を増やす

今の職場で昇進し、年収アップが期待できるのなら、そのままキャリアアップを狙いましょう。

しかし、今の職場で年収アップが難しいなら、年収の良い職場に転職しましょう。

まずは転職サイトなどで今の年収が相場より高いのか安いのかを調べます。

今の職場より年収の多い職場があるのかが大体分かります。

くっきー

転職エージェントを利用すれば、無料で情報が手に入るのでオススメです。

副業で収入を増やす

副業をして副収入を得ることで、収入が増やせます。

理学療法士であれば、非常勤として他の病院や施設で働くことも可能。

せどりや動画作成、プログラミングなど理学療法士に関係ない副業で収入を増やしている人もいます。

常勤で勤めている職場で収入アップが難しい場合は、副業を検討するのも手です。

>>理学療法士の副業が知りたい方は「理学療法士にオススメな副業を紹介!メリットや注意点も解説!」で解説しています。

夫婦共働きをする

結婚してる場合は、夫婦共働きをすることで世帯年収を上げることができます。

理学療法士の年収では共働きで世帯年収を上げるのが現実的でしょう。

理学療法士は患者さんのリハビリをする仕事のため、深夜に及ぶことは少ないのがメリットです。

くっきー

勉強会や書類作業で深夜になることはありますが…

そのため、子育て期間中も共働きをしやすい職種ではあります。

家計の支出を抑える

理学療法士の収入は限られてくるため、考えなしにお金を使っていてはすぐになくなってしまいます。

必要度の低い支出の削減や同じ機能をより低価格で果たせる部分は変更を検討し、出ていく金額を減らしましょう。

生活費の見直し

まずは生活費全般を見直してみましょう。

衣食費や娯楽費などで不必要なものがないかを見ていきます。

あまり利用していないサブスクリプションや高すぎる携帯料金などは見直して下さい。

くっきー

携帯料金はMVNOなどの格安スマホであれば、大幅に料金が節約できます。

しかし、食費や人生を楽しむための費用を極端に削りすぎるのも問題なのでバランスに気をつけましょう。

保険の見直し

保険は毎月の金額は大きくなくても、数十年で考えれば莫大な金額になり、住宅・車に次いで大きな買い物と言われています。

保険の内容を見直し、本当に必要なものだけに入るようにしましょう。

また、同じ内容でも他社の方が低価格である場合は、乗り換えも検討すると良いでしょう。

インターネットで申し込めるネット保険であれば料金が格段に安くなります。

家賃・車・住宅ローンの見直し

家賃、車や住宅のローンなども見直してみましょう。

これらは毎月かかる費用であり、大きな金額になります。

家賃は自分のものにならない家に対して払うお金です。

より安く済むなら引っ越しも検討しましょう。

車や住宅のローンは借り換えが可能です。

理学療法士は国家資格であるため、銀行からの信用度は高いです。

より低金利で借り換えられる銀行があれば検討してみるのも良いでしょう。

資産運用を検討する

お金が貯められるようになったら、余裕のある分を投資に回し、より資産を増やしましょう。

お金がお金を稼ぐ状態になれば、資産も増えていきます。

投資の種類

  • 株式
  • 債券
  • 不動産
  • コモディティ(商品)
  • 貯金

はじめやすいのは株式や債権です。

小額から買えて、ネット証券であれば自宅で簡単にできます。

くっきー

超低金利だから忘れてしまうけど、銀行への貯金も投資になります。

>>理学療法士の資産について知りたい人は「理学療法士が金持ちなるための手順!リハビリ職でも資産を作ろう!」で解説しています。

NISA/iDeCoを活用しよう

株式や債権を購入するなら、国が行っている税制優遇制度を活用しましょう。

NISAとは

NISA とは、国民の資産形成を後押しするために創設された税制優遇制度です。
毎月120万まで投資することが可能で、最長5年間、投資から得た利益が非課税となります(つみたてNISAは年間40万まで購入でき、最長20年間、投資から得た利益が非課税)。

iDeCoとは

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つです。
公的年金とは異なり、加入は任意で、加入の申込、掛金の拠出、掛金の運用の全てを自分で行い、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受け取ることができます。

出典:iDeCoの概要厚生労働省

債権や株式を購入予定ならどちらかを利用して、税制優遇を受けましょう。

まとめ

この記事のまとめ

  • 理学療法士の年収は子育てや老後を考えると十分ではない
  • 理学療法士の平均年収が大幅に増えることは考えづらい
  • 理学療法士でも生活していくには収入、支出、資産形成を見直していく事で対処できる部分がある

理学療法士の平均年収は約430万円です。

生活費が高騰するなか、理学療法士の給料だけで、余裕のある生活や子育て、老後の十分な蓄えは難しいのが現状です。

しかし、収入を増やすや支出を減らす、資産を増やすなどで対処できる部分もあります。

転職や副業での年収アップ、支出の見直しや資産形成などを考え対策をしていきましょう!

最後までご覧いただきありがとうございました。

>>理学療法士の転職方法についてはこちら「【理学療法士の転職方法】初心者でも成功する10の手順を徹底解説!

よくある質問

理学療法士の年収はどれくらいですか?

厚生労働省が発表している令和4年賃金構造基本統計調査では、理学療法士(作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士含む)の2022年平均年収は430.6万円です(残業代やボーナス含む)。

子育てに必要な費用はどれくらいですか?

文部科学省や内閣府が公表している情報を参考に計算すると、子育てにかかる費用は養育費と教育費を合わせて、約2700万〜約4200万円必要になります。

老後に夫婦2人で暮らすために必要な費用はどれくらいですか?

二人暮らしの場合、1ヶ月に必要な生活費は約25万円で、年間300万円です。仮に65歳で働くのを辞めたとして、2人とも女性の平均寿命である87歳まで生きるとすると、23年間で6,900万円必要になります。しかも、一人暮らし同様に住居費の中には住宅ローンは含まれていないため、住宅ローンが終わってない人や賃貸で借りる人はさらに費用がかかることになります。

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